何の日 4月8日 2017

#何の日 忠犬ハチ公の日
暖かな雨に桜の花びらが落ちる
「またここに来てたのか」
改札口を向いて立つ姿に傘をさしかけた
「待ってても無駄だ」
「大丈夫です」
「弘樹はもう」
「ヒロさんと約束してるんです」
にこりと微笑む顔は来るはずのない人の影を今日も探し続ける
#1日1のわヒロ

何の日 4月7日 2017

#何の日 世界保健デー
「心配しすぎだっての」
「でも」
「ちゃんと健診うけてるし」
「どこの病院ですか？」
「どこって大学で」
「やっぱり俺がみます」
「なんでだよ！」
「ヒロさんが他の医師にみられるなんて、俺の具合が悪く」
「てめぇはその病気を治しやがれ」
#1日1のわヒロ

何の日 4月6日 2017

#何の日 白の日
「上條サン、白衣似合いそうだよな」
「先輩…」
「小児科っぽくないけど」
「変な想像はヤメて下さい」
「お前も思うだろ？」
「ヒロさんは何でも似合いますから」
「何でも？」
「白衣もナース服も最高でした」
「試したのか」
「想像しないで下さい」
#1日1のわヒロ

何の日 4月5日 2017

#何の日 ヘアカットの日
「あっ」
「どうした？」
「やっちゃいました」
「自分で切ったのか？」
「はい」
「なんでまた…」
「色んな意味で節約になるので」
「お前ならちゃんと切ってもらえばもっとかっこよ…」
「えっ？」
「なんでもねぇ！俺が切ってやる！貸せ！」
#1日1のわヒロ

何の日 4月4日 2017

#何の日 幸せの日
暖かな夜が
「…野分」
「はい」
「見てねぇでちゃんと食えよ」
「はい」
「あ、」
「なんですか？」
「ババァにカステラ貰った」
「じゃあ後でお茶でも淹れますか」
「ん」
「桜が咲き始めましたね」
「大学のも咲いてた」
ゆっくりと流れていく
#1日1のわヒロ

何の日 4月3日 2017

#何の日 趣味の日
「待てって」
「無理です」
「でもそのパンツ…」
「安かったんで」
「お前って趣味悪いよな」
「笑わないで下さい」
「だってその柄」
「すぐ脱ぎますから」
「こら、どこ触って」
「可愛い」
「てめぇは…本当…趣味悪ぃ」
「そんなことないです」
#1日1のわヒロ

何の日 4月2日 ２０１７

#何の日 図書館開設記念日
「いよいよですね」
真新しい本棚を見上げる
「まだまだだけどな」
「俺も手伝います」
「自分の仕事をやれっての」
「あいかわらず鬼ですね」
「歳とったけどな」
「ヒロさんは何歳になっても可愛いです」
「アホ」
小さな図書館で笑いあった
#1日1のわヒロ

何の日 4月1日 2017

#何の日 エイプリルフール
少しだけの嘘なんていらない
どうせなら
ずっと上手についてくれたらいい
「好き」
そうしたら俺もずっと騙されてやる
「好きです」
返事の代わりに目を閉じる
言葉の代わりに舌を絡める
「ヒロさんが好きです」
死ぬまで信じさせてくれたなら
#1日1のわヒロ

何の日 3月31日 2017

#何の日 オーケストラの日
「野分！お前、演奏中どこ見てんだよ」
「あ、」
「ちゃんと指揮者を見ろ」
「すみません」
「こっちばっかり見やがって」
「それは、ヒロさんのせいです」
「なんだよそれ？」
「終わったら…話します」
拍手の中、遅咲きの恋の幕が上がった
#1日1のわヒロ

何の日 3月30日 2017

#何の日 マフィアの日
初めての恋に目が眩み
「てめぇ、どこから入りこんだ？」
「好きです」
「殺されてぇのかガキ」
銃口が額に押しつけられる
「貴方になら殺されてもいいです」
冷たく光る瞳をみつめる
「お前…バカなのか？」
「貴方のせいです」
命をかけて跪いた
#1日1のわヒロ