アマドコロの日 ツイッター三連投まとめ

「また増えたのか？」
「おかげさまで」
子どもの頃、朝比奈にあげたアマドコロは枯れることなく育ち、株分けされた鉢も行儀良く並んでいる
「めんどくさくないのか？」
そんなに手がかからないとはいえ、水やりだってばかにならないだろう
「好きなものの世話は苦になりません」
「龍一郎様、夕食になさいますか？それとも風呂にしますか？」
手の込んだ料理が当たり前のように並ぶ食卓を改めて眺める
「お前って、マメだよな」
「そうですか？」
「仕事もしてるんだし。面倒じゃねーの？」
「好きなものの世話は苦になりませんから」
「花と一緒にするな」
「まさか。花と一緒になんかしてませんよ。そもそも花はうるさくしませんし」
「おい」
「貴方の方がよっぽど手がかかりますし」
「悪かったな…」
「それに貴方のことが」
「もういいって」
「花より何より好きですから」
アマドコロの白い花がまるで笑ったようにふるりと揺れた

アマドコロの日

「疲れた」
「あと少しですよ」
「キスしてくれたらやる」
「オフィスラブは禁止では」
「社長室は例外だろ」
「わかりました」
その指先にキスを落とし
「えっ、」
書類の束を渡す
「早く終わらせて下さい」
本当の二人きりになれるまであと少し

指先へのキス「賞賛」
#アマドコロの日

【朝比奈薫×井坂龍一郎】

「こっちは降らないのか？つまんないな」
「子どもみたいなことを」
「大雪で閉じこめられたりしたら楽しそうだろ」
「龍一郎様…」
「冗談だって」
「私も貴方と二人きりなら、閉じこめられてもかまいませんよ」
「…雪が降るぞ」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

何の日 10月25日 (ミステイク)

リクエストの日
「なんで分かった？」
「え？」
「夕飯のメニューだよ」
「貴方が食べたいと思っているものくらい分かりますよ」
「…たまには俺だって」
「では、明日は何がよろしいですか？」
「なんでリクエストしたいって分かるんだよ」
「申し訳ありません」
#1日1あさいさ

高橋美咲生誕祭2015

「誕生日何が欲しい？」
毎年兄チャンは聞いてくれたけど俺は欲しいものなんてなかった
兄チャンがいてくれるだけで、一緒にいられるだけでよかったから
だけどゴメンね
今一番好きなのは兄チャンじゃない
誰よりも大切な人がいるんだ
今年こそ俺は伝えられるかな
#高橋美咲生誕祭2015

何の日 7月20日

「朝比奈ーこれ何か違うぞ」
「っ！申し訳ございません。間違えました」
慌てて伸ばした手を掴まれる
「なぁ、わざとか？」
ニヤリと見上げてくる瞳
晒された襟元から覗き見える胸元
「そのようなつもりはありませんが」
「が？」
「たまにはよろしいかと」
「俺もだ」
#1日1あさいさ

カラオケ ミステイク

「たまにはいいよな」
「そうですね」
「お前知らないだろ？俺が上手いの」
「存じ上げてますよ」
「なんでだよ」
「貴方の声なら、全て聞いてますから」
「くっ…お前も歌えよ」
「貴方のためにならどんな歌でも歌いますよ」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負
#1日1あさいさ

七夕 ミステイク

「またそれなのか？」
「はい」
「本当にそれでいいのか？」
「これ以上の願いはありませんから」
きっとそう言わせるためだけに俺は毎年書いている
『龍一郎様の願いが叶いますように』
今年も二人並んで揺れる短冊を見上げる
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負
#1日1あさいさ

深夜の真剣文字書き60分一本勝負

同じ時間を過ごしたのに
俺は変わらないのに
お前だけ大人になっていく
お前も離れていってしまうんだろうか
俺はまた一人の夜を過ごすのか
玩具の中の一つのように
この部屋に閉じこめてしまえたなら
俺は幸せになれるんだろうか

#ウサミサ

ウサギさん誕生日

宇佐見秋彦生誕祭2015
ぎゅっと抱きしめて耳元で囁く
「おめでとう」
この感じだ
抱きしめていた鈴木さんをソファーに戻すと立ち上がる
階段を降りてくる足音が聞こえてくる
それより大きな俺の胸の音が聞こえる
いつもの煙草の匂いが近づいてくる
「ウサギさん」
俺は一歩踏み出した