何の日 3月17日 2017

#何の日 春のお彼岸入り
風の中に春の香りが漂う
「晴れてよかったな」
「暖かくなってきましたね」
きれいになった御影石に並んで手を合わせる
「立派なお墓ですね」
「俺は入らねーけどな」
「え？」
「二人の方がいいだろ」
向こうでも
「…ありがとうございます」
#1日1のわヒロ

何の日 3月16日 2017

#何の日 財務の日
「それは…アヒルか？」
「よりどり５枚で500円だったんです」
「５枚？！」
「得しちゃいました」
「確かに安いな」
「パンダもあるんですよ。あ、ヒロさん履きますか？」
「いや、俺は履かねぇ」
「脱がせる方が好きですか？」
「そうじゃねぇ」
#１日1のわヒロ

何の日 ３月１５日 2017

#何の日 靴の日
「ただいまで、」
「おかえりー」
「ただいまです。靴磨きですか」
「ん。ちゃんと手入れしねぇとダメになるからな」
「俺も」
「お前のはスニーカーだろ」
「俺だってダメになります。俺も磨いてください」
「野分」
「はい！」
「とりあえず寝ろ！」
#１日1のわヒロ

何の日 ３月１４日 2017

#何の日 ホワイトデー
「すみません」
「なにが？」
「何も用意できませんでした」
「…なにを？」
「お返しを」
言われてようやく何の日だったか思い出す
「別にいらねぇって」」
会えただけでよかったと口にはしなかったけれど
日付をまたいだキスできっと伝わっている
#１日1のわヒロ

何の日 ３月１３日 2016

#何の日 サンドイッチの日
「おはようございます」
「おはよ…サンドイッチだ…」
「嫌いでしたか？」
「好き」
「…」
「食っていい？」
「あの、もう一度言って下さい」
「…食っていいか？」
「そうじゃなくて」
「なに？」
「タマゴサンド好きですか？」
「うん」
#１日1のわヒロ

何の日 ３月１１日 ２０１７

#何の日 パンダ発見の日
「教授」
熱っぽい視線が刺さってくる
「教えて欲しいことが」
細い指が俺の首元へと伸びてくる
「なに？」
「コレ、どこで手に入れたんですか？」
「…へ？」
新しいヒゲパンダ柄のネクタイをみつめるその目はまるで
「好きなのか？」
恋する瞳
#1日1のわヒロ

何の日 ３月１０日 2017

#何の日 ミントの日
「アメですか？」
「ん」
「珍しいですね」
「喉が痛いんだよ…」
「すみません」
「ったく」
からりころりと口の中で転がるアメをみつめる
「お前も食うか？」
「ありがとうございます」
溶けかけたひんやりとした味とともに甘い舌を絡めとった。
#1日1のわヒロ

何の日 ３月７日 2017

#何の日 サウナの日
「野分」
「なんですか？」
「普通は座って汗を流すもんだろ」
「はい」
「じゃあお前も座れよ」
「そういうわけにはいきません」
「お前が目の前に立っているとうっとおしいんだけど」
「ヒロさんの汗を俺以外の人に見せるわけにはいきませんから」
#1日1のわヒロ

何の日 3月６日 2017

#何の日 弟の日
「ちゃんと紹介して欲しかったです」
「ちゃんとって、なんて言えばよかったんだよ」
「恋人でいいじゃないですか」
「無理に決まってるだろ」
「だからって弟みたいなやつだなんて」
「悪かったって」
「兄弟じゃ結婚できないんですよ」
「ちょっと待て」
#1日1のわヒロ

何の日 3月5日 2017

#何の日 ミスコンの日
「どういうことですか！」
「我々からも代表を出すことになってるんだよ」
「だからって」
「教員の中では上條君が一番若いんだし」
「それはそうですけど」
「君なら絶対似合うから大丈夫」
「それは…もしかして」
「ドレスか振袖どっちにする？」
#1日1のわヒロ