何の日 2月12日 2017

#何の日 レトルトカレーの日
「美味しいです」
「だろうな」
「ヒロさんと食べるとどうしてこんなに美味しいんでしょうね」
「お前の舌どうかしてんじゃねぇのか」
「そうなのかな？」
「悪い病気かもしれねぇな」
「じゃあ舐めて治して下さい」
「いいから黙って食え！」
#1日1のわヒロ

何の日 2月11日 2017

#何の日 万歳三唱の日
拍手をおくる俺の耳元に野分が顔を寄せる
「結婚式っていいですね」
「そうだな」
「ヒロさんとなら何度でも挙げたいです」
テーブルの下のスーツの足を蹴りとばす
揃って呼ばれた祝いの席の温かさに浸りながら若い2人の門出を祝う手に力をこめた
#1日1のわヒロ

何の日 2月10日 ２０１７

#何の日 ふとんの日
「おはよう」
「…おはよ」
「弘樹の家のお布団、すごいね」
「普通だって」
「でも、ぐっすり眠れたよ」
「そっか」
昨日より少し元気になった秋彦の顔を見ながら大きな欠伸をする
「弘樹？」
「いつでも泊まりに来いよ」
俺は眠れそうにないけれど
#1日1のわヒロ

何の日 2月9日 2017

#何の日 肉の日
「美味しいですね」
「だろ？」
煙と匂いが立ち昇る
「ヒロさんは来たことがあるんですか？」
「教授に連れてきてもらってな」
「二人でですか？」
「なんだよ」
「いえ」
「学生も一緒だって」
「そうですか」
「ったく。焼いてばっかいねーで食え」
#1日1のわヒロ

何の日 2月8日 2017

#何の日 針供養の日
「ダメですか？」
「当たり前だアホ」
「でも白くて柔らかいものに刺すといいって」
「だから！それは折れた針の話だ」
「確かに折れてはいませんけど、色んな意味でボロボロですし」
「つか、そもそもてめぇのは針なんかじゃねぇサイズだろーが！」
#1日1のわヒロ

何の日 2月7日 2017

#何の日 フナの日
「本当にここで釣れるのか？」
「うん」
「つーか、秋彦んちに池なんてあったっけ？」
「あったっていうか、作った」
「作った？！」
たどり着いた小さな池に釣り糸を垂らす
「弘樹の好きな魚いるかな」
「ゔー」
「どうしたの？」
「なんか違う…」
#1日1のわヒロ

何の日 2月6日 2017

#何の日 抹茶の日
「お前もやるか？」
「すみません、足が」
本当は足だけじゃないけど
「足？」
「痺れました」
「マジかよ」
ヒロさんの指がツンと俺の足を突く
「わッ」
「おもしれー」
「やめて下さい」
「ヒロちゃん、茶室で暴れないでっていつも言ってるでしょ」
#1日1のわヒロ

何の日 2月5日 2017

#何の日 笑顔の日
写真の中のヒロさんは眩しい位に笑っている
「可愛い」
「ガキなだけだ」
隣に写っているのはアノ人で
「羨ましいです」
「バカなこと言ってんじゃねー」
「俺もヒロさんと」
「笑わねーぞ」
「代わりに俺が笑います」
「アホ」
笑った顔を閉じこめた
#1日1のわヒロ

何の日 2月4日 2017

#何の日 立春
「あったけぇ」
窓辺で手足を伸ばす
「コーヒーでも淹れますか」
「どうすっかな」
背中が包みこまれ読みかけの本が床に落ちる
「俺と遊びますか？」
「どうすっかなぁ」
「ヒロさん」
「休みなんだろ？」
「待てないです」
春の陽射しとキスが瞼に落ちた
#1日1のわヒロ

何の日 2月3日 2017

#何の日 節分
「どの恵方巻きにする？」
「たくさんあって迷いますね」
「あ、豆も買おうぜ」
「そうですね」
「お前が鬼だからな」
「そうなんですか？」
「鬼と呼ばれる俺の腕を見せてやる」
「それじゃあどっちが鬼かわかりませんよ」
笑い声と一緒に春の風が流れた
#1日1のわヒロ