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frown

当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。

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冬のはじまり②

モブ秋人君シリーズです。
「あれ?秋人君。今日はどうして?」
俺の質問に秋人君は苦笑いをした。
「オープンキャンパスにきた高校生に、そんなこと言わないで下さいよ。上條先生。」
ああ、そうか。この子はいつも落ち着いているから忘れていた。
まだ高校生だった。
「ここにいるってことは。ウチの大学を受けるのか?」
「はい。上條先生の講義を受けてみたいんで。」
まるで冗談のようなことを、真っ直ぐに俺の目を見て言う彼の瞳は、笑ってはいない。
「ありがとう。待ってるよ。」
俺も真面目に答えた。
前に少し話した時には、かなりの読書家だという印象があった。日本文学を愛する人間は好きだし、大学で勉強したいと言ってくれるのは素直に嬉しい。
「上條さんはもうお仕事は終わりなんですか?」
「ん?ああ、ここを片づけたら、一応な。」
「あの、、」
逡巡する秋人の声を聞きながら、パソコンとプロジェクターを片付ける。
「どうかしたのか?」
「お願いがあるんですけど、、、。」
コードを巻いて使った機材を重ねて持ち上げながら秋人の顔を見ると、珍しく困ったような顔をしている。
「なんだ?言ってみろよ。」
「上條さんの研究室を見たいです。」
「研究室?」
「はい」
「特に見るとこなんてないぞ」
正直なところ、文学部の研究室なんてものは資料と本がある程度で、何も面白いものなんてない。
「上條さんの蔵書を見せていただきたいんですけど」
ようやく俺は合点がいった。
流石は古書店の孫、といったところか。
「いいよ。今から研究室にこれ持っていくし。ついでにコーヒーでも飲んでいくか?」
そういうと嬉しそうな顔になって、俺の持っている機材をすっと取った。
「ありがとうございます。じゃあ、運ぶの手伝います。」
おれは資料だけを手にすると、秋人を連れて歩き出した。



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女性
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ヒロさん溺愛中

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