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frown

当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。

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頬にキス

素敵なのわヒロのキス絵から膨らませて書く、というのをやりました。

「ただいまです」
いつもの声の後になにやらガタガタと音が続く
「どうした?」
玄関に顔を出すと濡れたレインコートを脱ぎ終わった野分が髪の毛から雫を垂らして立っていた。
「ちょっと待ってろ」
慌てて洗面所に戻ってタオルを適当に掴んだ。
「すみません」
渡したタオルを手に頭を下げる野分はレインコートを着ていたとはいえやはり顔や頭は雨に濡れていた。
「いいから、ちゃんと拭かねぇと風邪ひくぞ」
俺もタオルを手に野分へと手を伸ばす。
流石にもう背は伸びてねぇとは思うけど、こいつは人より頭一つ背が高い。しかし靴を履いたまま玄関の三和土に立っているこの状況だと、俺の方が上がり框にいる分、いつもよりは身長差は感じられない。
普段あまり見ることのない頭のてっぺんにタオルを被せるとガシガシと拭いた。
おとなしくされるがままになっている姿はなんだか雨の中、置き去りにされた犬っころみたいで。
(そういや、こいつは台風の日に拾われたんだったな)
なんだか奇妙な感じだ。これはあれか、親心ってやつなんだろうか。
俺は両手で頭を包み込むようにして拭いた。
「よし、もういいぞ」
タオルを取ると、擦ったせいでぴょんぴょんと跳ねた真っ黒な髪の毛と、子どものように見上げてくる真っ黒な瞳が現れた。
ほんの少し頬を赤くしているのは、ひょっとして寒いんだろうか。
「足は濡れてないのか?」
心配になって足元に視線を降ろした俺の頬に柔らかい感触とともに、温かさが伝わり、そして離れた。
「ありがとうございます」
「な、なにしてんだよ」
「お礼です」
「礼?」
「はい。後でもっときちんとします」
「いらんっ!」
にっこりと笑ってそう言った顔にタオルを投げつけると俺はリビングに戻っていった。


頬にキス
親愛、厚意
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HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中

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