frown
当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。
Joy to the world
- 2017/12/25 (Mon)
- エゴss |
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エルさんに素敵なヒロさんの絵をいただき、興奮して書いたクリスマスのお話です。
エルさんありがとうございます!!
2017.12.25
エルさんありがとうございます!!
2017.12.25
賑やかなクリスマスソングにそそのかされたように買ってしまったワインが2本。
テーブルの上にはコンビニで売っていたローストビーフののったクリスマス風サラダが1人分とグラスが1つ。
1人で過ごすならクリスマスイブの夜だと感じずに過ごしたいと思う人もいるんじゃねぇかと思ったりするわけだが、世の中は12月に入った途端これでもかというほどクリスマスムードを垂れ流してくる。
もっとも俺の住むマンションのリビングにもやけにキラキラとした存在感を出しているクリスマスツリーがあったりする。
それも例によって短冊が吊るされているツリーが。
『ヒロさんとずっと一緒にいられますように』
もう何年も一緒に暮らしているというのに、毎年飽きもせずに同じ願い事を書く野分に呆れつつも、一緒に過ごす時間の少なさを思えばそう書きたくなるのもわからなくはない。
特にこんな日には。
寒々とした人恋しさを紛らわすように飲んでいたワインもなくなって、ごろりとソファーに寝そべった拍子に伸ばした足に当たった紙袋が倒れ、中から赤い服が飛び出した。
「どうしろってんだよ、こんなもの」
帰り際に学生たちに押しつけられて持ち帰ったソレの存在を思い出して起き上がる。手にした袋にはよく見ると男女兼用と書いてあった。どう考えても男が着るデザインではないと決めつけていた俺はワインのまわった頭でぼんやりと考えた。
もしかして男でも着れるんだろうか。
誰が見てるわけでもないし、せっかくだから試してみるか、と勢いよく部屋着を脱ぐと、真っ赤なサンタの服を取り出した。
半袖の上着は思ったよりもゆったりとしていたが少しばかり丈が短いようで、ちらちらとヘソが見え隠れする。ひらひらとしたスカートはウエストがゴムになっていて、誰でも履けるようになっていたがやたらと短い。そのあまりにもすかすかとした感覚に慌ててセットになっていた黒いハイソックスを履いたら少しばかり落ち着いた。
帽子は普通のサンタクロースの帽子だったが、なぜか赤い手袋はひじの近くまで隠れる長さがあって、なかなか面白い。
「できた」
帽子や手袋をしても流石に半袖と短いスカートは少し寒い。暖房の効いた床にすりすりと寝そべった時、玄関のドアが開く音と「ただいまです」という声が聞こえてきた。
「おかえり野分」
寝そべったまま見上げる。
「ヒロ・・・さん?」
真っ黒な瞳をまん丸にした、と思ったら野分はコートも脱がずに猛然と抱きついてきた。
「ンだよ、苦しいって」
「サンタさんありがとうございます」
何が?と聞こうとした唇は塞がれて、よくわからねぇけど野分が嬉しいならよかったと俺もサンタに心の中で礼を言って、野分のひんやりとした髪の毛に指を入れた。
Merry Christmas
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プロフィール
HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中