frown
当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。
雨音は
- 2015/11/23 (Mon)
- 捧げ物 |
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あかねさんのツイートから書いてみました。
初のウサミサ。
初のウサミサ。
誰かが泣いている
薄暗がりの中に小さな子どもが一人
大丈夫?
そう言ってあげたいのに
大丈夫だよ
そう言ってあげたいのに
◇◇◇
薄暗い天井がぼんやりと見えてくる。
ゆらりと揺れたように見えた飛行機をじっと見つめた。
誰かの泣いている声はもう聞こえない。
上半身を起こして頭を振った。
隣でゆっくりと上下する上掛けは蹴り飛ばされたのか、半分乱れて、足が飛び出している。
手を伸ばして掛け直すと、あちらこちらへと跳ね回っている髪の毛をそっとかき回した。
抱きしめたくなった衝動を飲み込んで壁の時計を見る。
大きく一つため息をつくと、秋彦はベッドからすべるように降りた。
ベッドの端に鈴木さんを置くと、書斎へと向かった。
◇◇◇
ひんやりとした空気が足元からのぼってくる
もぞもぞと温かい布団に潜りこみながら手を伸ばす
指先で辿っても辿ってもその先にあるのはシーツの皺だけで、寝返りをうってもそこには微かな煙草の香りだけだった。
ゆっくりと目を開ける
天井のプテラノドンと目が合ったまま、ぱちりと瞬きをして、首を横に向けてみた。
「なんだよ…」
手と足をめいっぱい広げてみる。
一人では広すぎる布団の海に溺れそうになりながら、美咲はまた目を閉じた。
寒い
美咲は起き上がると鈴木さんを抱き寄せた。
枕の柔らかさにのみこまれながら、食卓に並べる朝食を浮かべる。
嬉しそうに食べてくれる顔が見えてくる。
「おやすみなさい…」
早く、朝になりますように
早く、会えますように
規則正しい寝息を立て始めた寝室に雨の落ちる音が静かにしみこんでいった。
◇◇◇
キーボードの上を指が滑らかに動き回る。
静まりかえった家の中に、カタカタとキーボードを叩く音だけがやけに響く。
この広い世界の真ん中に、たった一人にされたような感覚に覆われていきながら、物語の主人公に引きずられるように話は進んでいく。
キーボードを叩く無機質な音に別の音が重なってくる。
ん?
手を止めて窓を見上げる。
静かに落ちる雨の音。
窓の外は何層もの薄い布をめくるようにゆっくりと明るさを増していた。
もうすぐ夜が明ける。
キッチンから漂うコーヒーの香り、玉子焼きの匂い、食器の音。
小さく笑うと、また画面へと視線を戻した。
カタカタと軽快な音が雨音とともに響いていく。
一人じゃない
愛する人のいる家の中へと
雨は静かに降り続いている。
薄暗がりの中に小さな子どもが一人
大丈夫?
そう言ってあげたいのに
大丈夫だよ
そう言ってあげたいのに
◇◇◇
薄暗い天井がぼんやりと見えてくる。
ゆらりと揺れたように見えた飛行機をじっと見つめた。
誰かの泣いている声はもう聞こえない。
上半身を起こして頭を振った。
隣でゆっくりと上下する上掛けは蹴り飛ばされたのか、半分乱れて、足が飛び出している。
手を伸ばして掛け直すと、あちらこちらへと跳ね回っている髪の毛をそっとかき回した。
抱きしめたくなった衝動を飲み込んで壁の時計を見る。
大きく一つため息をつくと、秋彦はベッドからすべるように降りた。
ベッドの端に鈴木さんを置くと、書斎へと向かった。
◇◇◇
ひんやりとした空気が足元からのぼってくる
もぞもぞと温かい布団に潜りこみながら手を伸ばす
指先で辿っても辿ってもその先にあるのはシーツの皺だけで、寝返りをうってもそこには微かな煙草の香りだけだった。
ゆっくりと目を開ける
天井のプテラノドンと目が合ったまま、ぱちりと瞬きをして、首を横に向けてみた。
「なんだよ…」
手と足をめいっぱい広げてみる。
一人では広すぎる布団の海に溺れそうになりながら、美咲はまた目を閉じた。
寒い
美咲は起き上がると鈴木さんを抱き寄せた。
枕の柔らかさにのみこまれながら、食卓に並べる朝食を浮かべる。
嬉しそうに食べてくれる顔が見えてくる。
「おやすみなさい…」
早く、朝になりますように
早く、会えますように
規則正しい寝息を立て始めた寝室に雨の落ちる音が静かにしみこんでいった。
◇◇◇
キーボードの上を指が滑らかに動き回る。
静まりかえった家の中に、カタカタとキーボードを叩く音だけがやけに響く。
この広い世界の真ん中に、たった一人にされたような感覚に覆われていきながら、物語の主人公に引きずられるように話は進んでいく。
キーボードを叩く無機質な音に別の音が重なってくる。
ん?
手を止めて窓を見上げる。
静かに落ちる雨の音。
窓の外は何層もの薄い布をめくるようにゆっくりと明るさを増していた。
もうすぐ夜が明ける。
キッチンから漂うコーヒーの香り、玉子焼きの匂い、食器の音。
小さく笑うと、また画面へと視線を戻した。
カタカタと軽快な音が雨音とともに響いていく。
一人じゃない
愛する人のいる家の中へと
雨は静かに降り続いている。
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プロフィール
HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中