frown
当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。
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- 2016/01/15 (Fri)
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ツイッターで素敵な指輪の後日談を読んで、続きを書こうということに。
しかし、最初に描いた遥さんの漫画の素晴らしさにはたどり着きませんでした。
*エメラルド冬の号、ネタバレ注意
しかし、最初に描いた遥さんの漫画の素晴らしさにはたどり着きませんでした。
*エメラルド冬の号、ネタバレ注意
結局箱はリビングに置かれたまま。
二人のものだから別にそれでいいんだけれど、リビングにいるとどうしても箱を、正確に言うと箱の中身を、意識してしまうわけで。
(まあ、どうせ誰もいないんだし)
チラチラと見ていた箱の方へと弘樹は歩み寄った。
ゆっくりと箱の蓋を開けると、二つの指輪は光を反射してキラリと光った。
行儀よく並んでいる指輪の小さい方を弘樹はそっと取り出した。
野分が自分の左手の薬指のサイズをどうやって知ったのかは未だに分からないが、それは驚くほどにぴったりと指にはまっている。
(あいつ、まさか俺のサイズならなんでも知ってるとか言うんじゃねぇよな・・・)
そんな風に考えた途端に、その台詞を言っている笑顔の野分が浮かんできてしまい、弘樹は慌てて頭を振った。
そっと右手の指で指輪をなぞる。
未だ慣れない金属の感触がひんやりと伝わってきた。
ぴん、と指を伸ばして眺めてみる。
指輪をはめてくれた時の野分の少し照れたような笑顔が浮かんできた。
単なる輪っかじゃねぇか
そう言っていたくせに、こうして指にはめていると、この指輪にこめられた野分の想いが伝わってくるようで、じわじわと頬に熱がのぼってきた。
(こういうのも・・・悪くねぇもんだな)
そのとき、背後からかたん、と物音が聞こえた。
(いや・・・そんなはずはない。きっと気のせいだ)
ぎしり、とフローリングが鳴り、ふわりと空気が動いた。
(嘘だろ・・・)
これ以上ないくらいのイヤな予感に激しく跳ね始めた自分の心臓の音がドッドッドッと地鳴りのように耳の奥で鳴り響く。
(頼むから空耳であってくれ)
そう願った瞬間、柔らかな声が聞こえてきた。
「ヒロさん…」
「うわあぁぁぁぁ」
飛び上がり、指を隠すように握りしめて自分の部屋に逃げようとした身体は後ろからきた野分の長い腕にとらえられてしまった。
「ヒロさん」
もう一度名前を呼ばれ、耳元に熱い吐息がかかる。
「離せって」
「無理です」
ぎゅうぎゅうと締めつける腕。
抵抗しようと振り上げた手が熱い手に絡めとられる。
左の薬指を野分の指先がくるりと撫で、そのまま強く握りしめられた。
「ありがとうございます」
「うるせぇ」
ぷいと横を向いたところへ野分の顔が寄せられた。
「俺、すごく嬉しいです」
恥ずかしさに子どものように尖らせていた弘樹の唇に野分の少し厚い唇が重ねられてくる。
握りしめられた左手から、重なった唇から、野分の熱が感染ったように熱を持ち始めた。
入りこんできた舌がざらりと重なり、その感触に頭の奥が痺れてくる。
逃れようと押し出した舌先が捉えられるのと一緒に、身体も捕らえられ、床の上に押し倒されていた。
背中にフローリングが当たる。
熱い手のひらがニットの裾から入りこみ、腹筋をなぞり上げてくる。
「やだ、って」
重なった唇が少し離れた隙に訴えようとした声まで貪られ、口腔を荒らす舌の熱と腹から胸へと這いまわってくる手の熱とに頭の中が掻き回されたようになっていく。
両足の間に野分の太腿がぐいと押しつけられた。
自分自身を圧迫する刺激から逃れようとして、自分の太腿に当たった野分の硬く張り詰めた感触にビクリと身体が強張る。
「ばっ、こんなとこで、」
踵が床を蹴り上げる。
「大丈夫です」
「なにが」
「床暖房入ってますから」
ジーンズのフロントが器用に外され、あっという間に下着ごと引き下ろされてしまう。
「あっ、」
言うつもりだった文句は、すでに勃ち上がりかけている身体の中心を野分にやわりと握りこまれて甘ったるい声に変えられてしまっていた。
「ヒロさん」
繰り返し何度も何度も名前が呼ばれて、握りしめられた左手に唇が落とされる。指輪を辿るように薬指に野分の熱い舌が這っていく。
冷たかったはずの指輪が、まるで熱を放っているかのように熱くなっていく。
その熱に蝕まれるように指先から身体全体までがぐずぐずと蕩け出すような不安定さに怯えて両脚で野分の身体を絡めとる。
もう一つの揃いの指輪が残された箱に見下ろされながら、側にいる証を指だけでなく身体中につけてくれたらいいのに、なんて馬鹿みたいなことを願った。
二人のものだから別にそれでいいんだけれど、リビングにいるとどうしても箱を、正確に言うと箱の中身を、意識してしまうわけで。
(まあ、どうせ誰もいないんだし)
チラチラと見ていた箱の方へと弘樹は歩み寄った。
ゆっくりと箱の蓋を開けると、二つの指輪は光を反射してキラリと光った。
行儀よく並んでいる指輪の小さい方を弘樹はそっと取り出した。
野分が自分の左手の薬指のサイズをどうやって知ったのかは未だに分からないが、それは驚くほどにぴったりと指にはまっている。
(あいつ、まさか俺のサイズならなんでも知ってるとか言うんじゃねぇよな・・・)
そんな風に考えた途端に、その台詞を言っている笑顔の野分が浮かんできてしまい、弘樹は慌てて頭を振った。
そっと右手の指で指輪をなぞる。
未だ慣れない金属の感触がひんやりと伝わってきた。
ぴん、と指を伸ばして眺めてみる。
指輪をはめてくれた時の野分の少し照れたような笑顔が浮かんできた。
単なる輪っかじゃねぇか
そう言っていたくせに、こうして指にはめていると、この指輪にこめられた野分の想いが伝わってくるようで、じわじわと頬に熱がのぼってきた。
(こういうのも・・・悪くねぇもんだな)
そのとき、背後からかたん、と物音が聞こえた。
(いや・・・そんなはずはない。きっと気のせいだ)
ぎしり、とフローリングが鳴り、ふわりと空気が動いた。
(嘘だろ・・・)
これ以上ないくらいのイヤな予感に激しく跳ね始めた自分の心臓の音がドッドッドッと地鳴りのように耳の奥で鳴り響く。
(頼むから空耳であってくれ)
そう願った瞬間、柔らかな声が聞こえてきた。
「ヒロさん…」
「うわあぁぁぁぁ」
飛び上がり、指を隠すように握りしめて自分の部屋に逃げようとした身体は後ろからきた野分の長い腕にとらえられてしまった。
「ヒロさん」
もう一度名前を呼ばれ、耳元に熱い吐息がかかる。
「離せって」
「無理です」
ぎゅうぎゅうと締めつける腕。
抵抗しようと振り上げた手が熱い手に絡めとられる。
左の薬指を野分の指先がくるりと撫で、そのまま強く握りしめられた。
「ありがとうございます」
「うるせぇ」
ぷいと横を向いたところへ野分の顔が寄せられた。
「俺、すごく嬉しいです」
恥ずかしさに子どものように尖らせていた弘樹の唇に野分の少し厚い唇が重ねられてくる。
握りしめられた左手から、重なった唇から、野分の熱が感染ったように熱を持ち始めた。
入りこんできた舌がざらりと重なり、その感触に頭の奥が痺れてくる。
逃れようと押し出した舌先が捉えられるのと一緒に、身体も捕らえられ、床の上に押し倒されていた。
背中にフローリングが当たる。
熱い手のひらがニットの裾から入りこみ、腹筋をなぞり上げてくる。
「やだ、って」
重なった唇が少し離れた隙に訴えようとした声まで貪られ、口腔を荒らす舌の熱と腹から胸へと這いまわってくる手の熱とに頭の中が掻き回されたようになっていく。
両足の間に野分の太腿がぐいと押しつけられた。
自分自身を圧迫する刺激から逃れようとして、自分の太腿に当たった野分の硬く張り詰めた感触にビクリと身体が強張る。
「ばっ、こんなとこで、」
踵が床を蹴り上げる。
「大丈夫です」
「なにが」
「床暖房入ってますから」
ジーンズのフロントが器用に外され、あっという間に下着ごと引き下ろされてしまう。
「あっ、」
言うつもりだった文句は、すでに勃ち上がりかけている身体の中心を野分にやわりと握りこまれて甘ったるい声に変えられてしまっていた。
「ヒロさん」
繰り返し何度も何度も名前が呼ばれて、握りしめられた左手に唇が落とされる。指輪を辿るように薬指に野分の熱い舌が這っていく。
冷たかったはずの指輪が、まるで熱を放っているかのように熱くなっていく。
その熱に蝕まれるように指先から身体全体までがぐずぐずと蕩け出すような不安定さに怯えて両脚で野分の身体を絡めとる。
もう一つの揃いの指輪が残された箱に見下ろされながら、側にいる証を指だけでなく身体中につけてくれたらいいのに、なんて馬鹿みたいなことを願った。
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プロフィール
HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中