【学パロ】

「好きです」
桜吹雪を巻き上げるように現れた新入生の告白は学校中に広まった
「愛されてるねー」
「うっせぇ津森」
「お似合いだ」
「秋彦、てめぇも黙れ」
睨みをきかせている上條のもとへ今日もまた噂の草間野分が駆けて来る
「ヒロさーん」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【宮城庸・上條弘樹】

「上條、今夜は帰さないからな」
「俺、教授のことを尊敬はしてます」
「だったらいいだろ」
「…無理です」
「頼む。俺にはお前しか」
「この樹海からどうやって探せと」
「ああ、明日までにあの本がないと俺は」
「嘘泣きしてもムダですよ」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【小野寺律】

バカみたいに想っていた
「なんでこんなところを」
「お前が歩きたかったんだろ」
満開の桜の下を
「なにしてるんですか？」
「見りゃわかるだろ」
一緒に歩きたかった
「…バカじゃないですか」
繋いだ手の先にあるのは夢じゃない
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

久しぶりの高律、、

【桜】

桜の開花宣言が流れている
別に桜が好きなわけじゃない
だけど
賑やかな花見客の間をかきわけて歩くのも悪くはない
それに
灯りに照らされた夜桜を見上げるのだってきっと綺麗だろう
それでも
次の休みがいつなのかとは聞けずに今年もまた春が来る
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【宇佐見秋彦・小野寺律】

「新しい担当の小野寺です。よろしくお願いします」
栗色の髪
「似てる…か？」
「え？」
「いや、なんでもない。よろしく」
「宇佐見先生の書かれたお話は全部読んでます」
そう言って頬を赤くする姿は、一番最初に読ませたあいつにどこか重なった
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【宇佐見秋彦】

大切なものはいつだって失くしてから気づく
「ヒロさんは俺がもらいます」
目の前で閉じたドアをみつめる
俺はまた失くしてしまったのだろうか
それとも
祝福するべきなんだろうか
一人で空を見上げる
俺だってお前の味方なんだと、心の中で呟いた
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【膝枕】

首すじから背中へゆっくりと手を這わせる
ゆらりと揺れた長い尻尾が足に絡みついてきた
膝の上でモゾモゾと動く髪の毛に指を差しこんでそっと耳を掴む
パチリと開いた目と目が合う
「ヒゲは生えなくて良かったです」
すべすべとしたその頬をぺろりと猫のように舐めた
#毎日が猫のヒロさんの日

猫舌

耳と尻尾が生えただけだ
そう思っていたのに
「熱ッ」
口をつけたマグカップを落としそうになる
「大丈夫ですか？」
「…ヒリヒリする」
出した舌先をちゅっと優しく吸い上げられた
「なっ」
「猫舌なヒロさんも可愛いです」
引っ掻いてやったのは言うまでもない
#毎日が猫のヒロさんの日

【ねこ】

「派手にやられたな」
背後から声をかけられて慌てて服を着る
「あの人ってそんな風には見えないのにな」
「そんな目でヒロさんを見ないで下さい」
「綺麗なネコは嫌いじゃない」
「先輩！」
背中の傷の痛みも忘れて追いかけた
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負
#1日1のわヒロ

【バレンタインデー】

「知ってますか？」
「なに？」
「チョコには媚薬の効果もあるんですよ」
熱く兆した身体を感じて息をのむ
「食ったの、1切れだろーが」
「ヒロさんから貰ったんですよ。効果あるに決まってます」
甘い言葉にとけてしまうのはいつだって俺のほう
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負