何の日 4月16日 ２０１７

#何の日 イースター
「何色にしますか？」
「…なんでゆで卵がこんな色なんだ」
「今日は玉子の日です」
「じゃあ、その青いヤツ」
「はいどうぞ」
「野分」
「はい」
「なんで…ウサギの耳つけてんだ」
「今日はウサギの日です。ヒロさんのも」
「お前色々間違ってる」
#1日1のわヒロ

何の日 4月15日 2017

#何の日 遺言の日
「聞きたくないです」
「お前な…」
「置いていかないで下さい」
「お前の方が若いんだぞ」
「たった4つです」
その4つにこだわってたクセに
「わかったよ」
「ありがとうございます」
150歳までとはいかないけれど
「長生きしてやる」
お前より
#1日1のわヒロ

何の日 4月14日 2017

#何の日 椅子の日
背中があったかくて
「あのさ、」
「はい」
耳に吐息が触れて
「楽しいか？」
「はい！」
「なら…いいけど」
黒くてデカイ椅子の上は
「すごく落ち着きます。ヒロさんは？」
「落ち着かねぇ」
「嫌ですか？」
「嫌じゃねぇけど」
…くすぐったい
#1日1のわヒロ

何の日 4月13日 2017

#何の日 喫茶店の日
「ヒロさ…」
ページをめくりながらふわりと笑った顔に息が止まった
「すみません」
俺が待たせた時間のぶんだけ
「ん。お前も何か飲むか？」
誰かの視線を浴びていたんだろうか
「いえ…」
「どうした？」
帰りましょうとも言えずグラスの水を空けた
#1日1のわヒロ

何の日 4月12日 2017

#何の日 ガッツポーズの日
ひらりと浴衣の裾がはためいた
「俺の勝ちだ！」
嬉しそうな顔を見ながらピンポン球を拾う
「汗かいちゃいましたね」
さりげなく誘導して
「もう一回温泉行くか？」
「部屋にも露天風呂ついてますよ」
「そっか」
俺は小さくガッツポーズをした
#１日1のわヒロ

何の日 4月11日 2017

#何の日 ガッツポーズの日
ひらりと浴衣の裾がはためいた
「俺の勝ちだ！」
嬉しそうな顔を見ながらピンポン球を拾う
「汗かいちゃいましたね」
さりげなく誘導して
「もう一回温泉行くか？」
「部屋にも露天風呂ついてますよ」
「そっか」
俺は小さくガッツポーズをした
#１日1のわヒロ

何の日 ４月１０日 2017

#何の日 駅弁の日
「試してみたいんですけど」
「ふーん」
「いいですか？」
「いいんじゃねぇの」
「じゃあ」
「え？！なに、えっ？」
「ちゃんとつかまってて下さいね」
「お前なにして」
「なにって駅弁です」
「やめ、無理だって」
「大丈夫です」
「俺が！！」
#1日1のわヒロ

何の日 4月９日 2017

#何の日 美術展の日
熱い視線に
「野分…」
「はい」
「こんなこと言うのもなんだけど」
「はい」
「お前が誘ったんだぞ」
「はい」
「…ちゃんとみてるのか？」
「みてます」
「…何を？」
「可愛いものを」
焼かれて
「…帰る」
「ヒロさん？！」
死にそうになる
#1日1のわヒロ

何の日 4月8日 2017

#何の日 忠犬ハチ公の日
暖かな雨に桜の花びらが落ちる
「またここに来てたのか」
改札口を向いて立つ姿に傘をさしかけた
「待ってても無駄だ」
「大丈夫です」
「弘樹はもう」
「ヒロさんと約束してるんです」
にこりと微笑む顔は来るはずのない人の影を今日も探し続ける
#1日1のわヒロ

何の日 4月7日 2017

#何の日 世界保健デー
「心配しすぎだっての」
「でも」
「ちゃんと健診うけてるし」
「どこの病院ですか？」
「どこって大学で」
「やっぱり俺がみます」
「なんでだよ！」
「ヒロさんが他の医師にみられるなんて、俺の具合が悪く」
「てめぇはその病気を治しやがれ」
#1日1のわヒロ