何の日 3月６日 2017

#何の日 弟の日
「ちゃんと紹介して欲しかったです」
「ちゃんとって、なんて言えばよかったんだよ」
「恋人でいいじゃないですか」
「無理に決まってるだろ」
「だからって弟みたいなやつだなんて」
「悪かったって」
「兄弟じゃ結婚できないんですよ」
「ちょっと待て」
#1日1のわヒロ

何の日 3月5日 2017

#何の日 ミスコンの日
「どういうことですか！」
「我々からも代表を出すことになってるんだよ」
「だからって」
「教員の中では上條君が一番若いんだし」
「それはそうですけど」
「君なら絶対似合うから大丈夫」
「それは…もしかして」
「ドレスか振袖どっちにする？」
#1日1のわヒロ

何の日 3月4日 2017

#何の日 バウムクーヘンの日
大きな手が器用に動き、ぺらりと薄く剥がしていく
「そんなちまちま食ってたら味しないだろ」
「そんなことないですよ」
「俺は一口で食べたい」
「俺は１枚ずつ剥がしてゆっくり食べたいんです」
耳元で囁かれて、するりと手のひらが入りこんだ
#1日1のわヒロ

何の日 3月3日 2017

#何の日 ひなまつり
「なんで断らねーんだよ」
「弘樹が着てたから」
「二人ともよく似合うわー」
「秋彦にまで着物着せんなよ」
「せっかくだから写真撮りましょ」
「もーいいって」
「ほらヒロちゃん！ちゃんと並んで」
「なんなんだよ」
「まるでおひなさまみたいね」
#1日1のわヒロ

何の日 3月2日 2017

#何の日 ミニの日
「野分…なのか？」
「はい」
「ずいぶんかわいくなっちまったんだな」
「笑わないで下さい」
「悪かった。機嫌直せよ」
「子ども扱いしないで下さい」
「でも見た目は完全に子どもだぞ」
「子どもじゃないことを証明します」
「何を、コラやめろって」
#1日1のわヒロ

何の日 3月1日 2017

#何の日 デコポンの日
「剥くのが面倒」」
「これは簡単に剥けますよ」
「そうなのか？」
「はいどうぞ」
差し出した実にパクリと食いついたその唇をちゅ、と吸いあげる
「な、」
「甘いですね」
「てめぇ」
「もう1個食べますか？」
「…食う」
剥いた数だけ甘くなる
#1日1のわヒロ

何の日 2月28日 2017

#何の日 バカヤローの日
「お前の日本語はなってねぇ」
「すみません」
「ちゃんと正しい言葉を使えってんだ」
「はい」
「わかったか？」
「ヒロさんは可愛いです」
「お前な…」
「ダメですか？」
「バカヤロー」
小さな声を抱きしめてそっと旋毛にキスを落とした
#1日1のわヒロ

何の日 2月27日 2017

#何の日 冬の恋人の日
「やっと冬も終わりだな」
「残念です」
「俺はあったかいほうがいい」
「俺は寒い夜も嫌いじゃないです」
そっと握った手を振り払われる
「ヤメロっての」
「すみません」
「…早く帰るぞ」
「はい」
赤くなった頬を冬の名残りの風が撫でていった
#1日1のわヒロ

何の日 2月26日 2017

#何の日 脱出の日
「出られねぇのか」
「困りましたね」
「お前困ってねぇだろ」
「だってヒロさんと一緒だから」
「喜んでんじゃねぇ」
「せっかく二人っきりなのに」
「こんな何もねぇところにいれるかよ」
「俺はヒロさんさえいたらそれで」
「いいから出口を探せ！」
#1日1のわヒロ

何の日 2月25日 2017

#何の日 夕刊紙の日
「そーゆー記事を信じるんじゃねぇよ」
「でも」
「そもそもお前は医者なんだし、わかるだろ？」
「だけど絶対にウソとは限らないじゃないですか」
「本当だとしたら、お前はどうするんだよ？」
「ヒロさんと俺の子どもを作りたいです！」
「アホか！」
#1日1のわヒロ