何の日 6月5日

落語の日
「じゅげむじゅげむ・・あれ？」
「何してんだ？」
「子ども達が言えるんで俺も練習しようと思って」
「へぇ」
「これって子どもに名前をつける話なんですよね」
「野分」
「はい？」
「俺はお前の名前が…いい」
「え？！」
「何度も言わすなボケ」
#1日1のわヒロ

何の日 6月4日

虫歯予防デー
「やだ」
「もっとちゃんと見せて」
「…怖い」
「初めてじゃないでしょ」
「あっ、そこやだっ」
「だってここですよね？」
「違う、、あっ」
「ヒロさん」
「いきたくない」
「早くいってください」
「やだ…」
「これはどう見ても虫歯です」
#1日1のわヒロ

何の日 6月3日

測量の日
「いよいよですね」
「そうだな」
「本を置く部屋もちゃんと作りますね」
「俺より子どもたちのことを考えてやれよ」
今はまだ何もない地面を眺める
新しい草間園で走り回る子どもたち
その横で本を読むヒロさん
「俺は世界一幸せ者です」
「…アホ」
#1日1のわヒロ

6月2日

イタリアワインの日
「弘樹、飲み過ぎ」
「うるせぇ、ほっとくあいつが悪いんだ。なぁ〜」
「その台詞は鈴木さんにじゃなく彼に言うべきだろう」
「言えるかっつーの」
「どんなに想っていても言わないと伝わらないぞ」
「そんなのお前に言われなくても知ってる」
#1日1のわヒロ

何の日 6月1日

牛乳の日
「なんでそんなでかいんだよ」
「なんでって言われても」
「俺ももっと大きくなりたかった」
「ヒロさん普通じゃないですか？」
「もっと大きい方がいい！あんなに飲んだのに効き目ないのかな…」
「飲んでたんですか？」
「うん、毎日」
「毎日？！」
#1日1のわヒロ

何の日 5月31日

世界禁煙デー
「百害あって一利なしって言うだろ」
「お前の言い分はわかったから、早くその灰皿を寄越せ」
「だからダメだって言ってんだろ」
「弘樹」
「なんだよ」
「そんなに好きなのか？」
「…」
「じゃあパンダじゃない灰皿でいい」
「なら貸してやる」
#1日1のわヒロ

何の日 5月30日

掃除機の日
眩しさに目を覚ます
伸ばした腕の先はまた空っぽだった
せっかくの休日なのに…
布団を引っ張りあげて目を閉じた瞬間、微かに聞こえる音を耳が拾った
飛び起きてドアを開ける
「あ、起こしちゃいましたか？」
掃除機と野分とコーヒーが俺を待っていた
#1日1のわヒロ

何の日 5月29日

呉服の日
「似合います」
姿勢良く立つ姿をうっとりと眺める
「そうか？」
「俺にも着付けを教えて下さい」
「いいけど」
「あ、できたら洗い方と畳み方も」
「は？」
「そしたらなんでもできますよね？」
「なんでもってなんだ？」
「それは今からゆっくり」
#1日1のわヒロ

何の日 5月28日

花火の日
「もう出したのか？」
蚊取り線香の香りは夏を運んでくる
「今年は早めに用意しようと思って」
「もう暑いもんな」
「浴衣は去年と同じでいいですか？」
「浴衣？」
「花火大会の日も調べておきますね」
「野分？」
「だから今年こそベランダで」
#1日1のわヒロ

何の日 5月27日

小松菜の日
「鉄分やカルシウムも豊富ですよ」
「へえー」
「ヒロさんはもっと野菜を食べないとダメですよ」
「いつも食べてるだろ」
「一人だとインスタントですましてませんか？」
「…だったら」
「え？」
「なんでもねえ」
「ごめんなさい」
「…謝んな」
#1日1のわヒロ