frown
当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。
終わりよければ (カウントダウン 終)
- 2016/11/22 (Tue)
- エゴ 140ss |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
「ヒロさん」
聞きたかった声がする。
「ヒロさん」
優しく掴まれた肩が温かい。
まるで陽だまりのようだ。俺はこのままずっとこの気持ち良さの中に浸っていたいと心から願った。それなのに、
「起きて下さい!」
やけに切羽詰まった声とともにゆさゆさと肩を揺さぶられた。
「んー」
重い目蓋を渋々開ける。すると、それを待っていたかのように唇が塞がれた。
「んっ??」
ぱちぱちと目を瞬かせる。
つるりと軽く舌を忍ばせてから、ちゅっと吸い上げるように離れていった唇を目で追う。
「ああ、よかった。間に合いました」
嬉しそうな声という黒い瞳に、眠っていた頭がようやく動き出す。
「お前、何を」
こいつに問いただしたいことがあった。どうして連絡もなく帰ってきたのか、とか、仕事は大丈夫なのか、とか、この前、腕を組んでいた子は誰なのか…とか。それこそ、山ほどあった。だけど俺の身体をぎゅうっと抱きしめる腕の力に、ぴたりと重なった胸から響く音に、首すじに落とされる熱い吐息を感じて、そんなことはもうどうでもよくなってしまう。
俺は、きっと病気なんだ。
「お誕生日おめでとうございます」
「ん」
広い背中に腕をまわす。
聞きたかった声がする。
「ヒロさん」
優しく掴まれた肩が温かい。
まるで陽だまりのようだ。俺はこのままずっとこの気持ち良さの中に浸っていたいと心から願った。それなのに、
「起きて下さい!」
やけに切羽詰まった声とともにゆさゆさと肩を揺さぶられた。
「んー」
重い目蓋を渋々開ける。すると、それを待っていたかのように唇が塞がれた。
「んっ??」
ぱちぱちと目を瞬かせる。
つるりと軽く舌を忍ばせてから、ちゅっと吸い上げるように離れていった唇を目で追う。
「ああ、よかった。間に合いました」
嬉しそうな声という黒い瞳に、眠っていた頭がようやく動き出す。
「お前、何を」
こいつに問いただしたいことがあった。どうして連絡もなく帰ってきたのか、とか、仕事は大丈夫なのか、とか、この前、腕を組んでいた子は誰なのか…とか。それこそ、山ほどあった。だけど俺の身体をぎゅうっと抱きしめる腕の力に、ぴたりと重なった胸から響く音に、首すじに落とされる熱い吐息を感じて、そんなことはもうどうでもよくなってしまう。
俺は、きっと病気なんだ。
「お誕生日おめでとうございます」
「ん」
広い背中に腕をまわす。
PR
プロフィール
HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中
この記事へのコメント