frown
当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。
足柄山の出会い
- 2017/06/23 (Fri)
- エゴss |
- Edit |
- ▲Top
twitterにての企画
♯エゴお題交換会 にて当たったお題「金太郎」より
2017.6.12
♯エゴお題交換会 にて当たったお題「金太郎」より
2017.6.12
今は昔。足柄山の奥でそれはそれはひどい嵐の日に生まれた赤ん坊があった。ノワ太郎と名付けられた子は、大きくなりますように、と願いのこめられた腹掛けのおかげなのか、みるみるうちに大きく、そして力の強いたくましい子に育ちました。大きな鉞をかついで力仕事に勤しむ親孝行なノワ太郎でしたが、足柄山の動物たちと仲良く遊ぶ優しい子でもありました。
その日も腹掛け一枚を身につけて山を歩いていたノワ太郎は、珍しいクマを見つけました。
「あんなクマ、この山にいたかな?」
木の切り株にじっと座ってるいるクマは首に美しい布を巻いています。
他の動物たちが見慣れないクマの姿に怯える中、ノワ太郎は一人で近づき話しかけてみました。
「こんにちは」
クマは黙ったまま。返事もしません。いったいどうしたんだろうとノワ太郎はさらに近寄り、クマの顔を覗きこみました。
「触るな」
突然、低い声が響きました。驚いたノワ太郎が見た先にいたのは、不思議な格好をした男の人でした。
「すみません」
頭を下げたノワ太郎へと近づいてきたその人は色の白い顔といい、身につけているものといい、時折山の中で見かける人間とはまるで違います。
(誰なんだろう)
静まり返った森の中で、どくん、とノワ太郎の心臓が聞いたこともないような音で鳴り始めました。
「これは俺の鈴木さんだ」
ノワ太郎と集まっている動物たちにそう告げたその人は、座っていた大きなクマを軽々と持ち上げて立ち去ろうとしました。
「待ってください!」
ノワ太郎は慌ててその腕を掴みました。なぜだかわかりませんでしたが、この人を逃してはいけないということだけは、はっきりとわかったのです。
「なんだよ」
キッと睨みつけてきたその瞳の美しさにぞくりとノワ太郎の腹掛けが震えました。
「あの、俺、ノワ太郎って言います」
「だからなに?」
「あなたの名前を教えて下さい」
「上條…弘樹だけど」
「ヒロさんですね!お願いします。あなたの家来にして下さい」
「はぁぁぁぁ?」
家来なんていらねぇと言い張る上條弘樹に半ば無理やりついていき、結局一緒に京の都に向かったノワ太郎は、名を草間野分と改めて、その類まれなる力を上條弘樹のためにつかったといわれている。
PR
プロフィール
HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中