frown
当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。
sweet time
- 2017/06/23 (Fri)
- 捧げ物 |
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chimomoさんのお誕生日のお祝いに書いたものです
2016.10.24
2016.10.24
「あ、」
「どうした?」
「ココアきれてたの忘れてました」
ココアの缶を覗きこんで肩を落とす姿に思わずふきだした。
自分のマグカップをテーブルに置いて立ち上がる。
「コーヒーならあるぞ」
「コーヒーですか」
「砂糖多めに入れてやる」
「お願いします」
自分とお揃いの柄の野分のマグカップに少し多めに砂糖を入れて、コーヒーを注ぐ。
「牛乳も入れるか?」
「はい」
猫舌の野分のために冷たい牛乳を足して、立ち昇る湯気をふぅと吹いた。
「ほらよ」
「ありがとうございます」
やけに嬉しそうな顔で受け取った野分は両手でカップを抱えると、フーフーと熱心に息を吹きかけ始めた。
「そんなに熱くねぇって」
「そう、ですか」
向かい合って座る野分の子どものような仕草を笑いながら俺は自分のコーヒーを飲んだ。
こんな風に過ごすのは久しぶりだ。
ようやく秋めいてきた柔らかな陽射しがリビングを照らしている。
「熱くねぇだろ?」
「はい。甘くて美味しいです」
「お前やっぱり疲れてんだな」
「そうですね。もっと甘いものが欲しいです」
「なんかあったかな」
自分のカップをテーブルに置いて立ち上がりかけた俺の唇に温かな唇が重なる。するりと忍びこむ舌とともに野分の甘いコーヒーの味が流れこむ。
「なにして…」
「疲れているので甘いものが欲しいんです」
「アホか」
甘ったるい言葉に浸りながら、ふやけそうなくらいに長い長いキスを交わした。
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プロフィール
HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中