宮城庸誕生日 宮城過去編

バカなガキは、少しでも大人になったんだろうか
あなたに認めてもらえるような人間になったんだろうか
ロウソクの代わりに煙草に火を灯す
穏やかな波の音と
優しい声が聞こえてくる
『好きになってくれてありがとう』
先生
俺もようやく
あなたと同じ歳になりました
#宮城庸生誕祭2016

宮城庸誕生日 ヒロさん編

「誕生日なんですか？」
「まーな」
「おめでとうございます」
「なんだよ上條、それだけ？」
「もちろんです」
「冷たいやつだなー」
「いいから今日はとっとと帰って下さい」
「いやまだ資料が」
「残りは俺がやっておきます」
「悪いな」
「今日だけ特別です」
#宮城庸生誕祭2016

【幸せ】

俺は知らなかった
突然降って来ることも
「俺、草間野分っていいます」
名前を名乗ることも
「朝ゴハン作りました」
勝手に部屋に入ってくることも
そして
「好きです」
こんなにも熱いことも
初めて手にした「幸せ」は今夜も俺を戸惑わせる
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【宮城庸』

やりがいのある仕事
からかいがいのある部下
そして煙草
これだけで、自分は十分幸せだと思っていた
本気の恋ってやつは、いくつになってもややこしい
そして
「今日のラッキーアイテムは…キャベツ？」
いくつになっても悪くない
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負
【宮城庸】

【花】

すんなりと伸びた茎に柔らかな花びら
だけど油断すると刺さる棘
「野分は花がよく似合うな」
「そうですか？」
いつの日かあの人に似合う男にもなれるだろうか
甘い香りごと抱え上げて、そっと向かいのカフェを眺めた
今日は通算14回目の嬉しい日
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【花】

優しく微笑みながら持っている花も
まとわりついている女子高生も
どれも野分によく似合う
「…クソガキ」
長い腕に抱えられている花を睨みつけながら、冷めたコーヒーを飲み干す
14回目の帰り道までもう少し
黒いエプロン姿を眺めていたかった
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【宮城・忍】

「上手くなったなー」
「お世辞はいらない」
「本当だって」
「じゃあ、どこがうまいのか言ってみろよ」
「キャベツの選び方？」
「バカにしてるだろ」
「そんなことないって」
遅咲きの恋は今夜も俺の胸とキャベツを焦がしている
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負
【みやしの】

【コスプレ】

「なんでもやるって言いましたよ」
「言ったけど」
「草間先生って呼んでくれるだけでいいですから」
「まあ…それなら」
「じゃあ、これを着てお願いしますね」
「は？」
「よく似合います」
「ンなわけねぇだろ！」
「まさに白衣の天使です」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

羽鳥芳雪・吉野千秋

体操服も学生服もパジャマもスーツも
俺が見たことのないトリなんていないと思っていたのに
「千秋…」
聞いたことのない甘い声が降り注ぐ
幼なじみの優しさも担当の厳しさも脱ぎ捨てた姿に
「芳雪」
俺は掠れた声で呼びかけて笑った
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負
【トリチア】

【クールビズ】

「あれ？上條まだネクタイ締めてんのか？」
「…はい」
「暑いだろー」
「大丈夫です」
「無理すんなって、ほら緩めて」
「ちょっ、教授やめて下さいッ」
「あ…」
「だから俺は」
「あー、うん。それは…きっちり締めとけ。学生には目の毒だ」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負