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frown

当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。

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【目覚め】

眠れる森の美女は王子の口づけで起きたと言うけど
「朝ですよ」
囁きながら唇を啄んでも
「ん…」
ヒロさんの目蓋は開かない
「起きて下さい」
そろそろ新記録更新かもしれない
「ヒロさん」
45回目のキスを落としてからコーヒーを淹れにキッチンへ向かった
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負
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【あくび】

「ふぁぁ」
気持ち良さそうに息を吐いたヒロさんの背中が柔らかくしなった
「寝ますか?」
「そーだな」
欠伸をした目尻に涙がにじんでいる
顔を近づけて、ペロリと舌で舐めとる
「なっ、お前ッ何して」
「早く寝ましょう」
「今ので目が覚めた」
「えっ」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【パンツ】

「お前な、もう少し考えて買えよ」
「ダメですか?」
新しい下着を見下ろす
「柄もだけど、履き心地とか」
「じゃあ試してみてください」
「何を?」
ヒロさんの手をとってピンクに黒のハート模様のパンツを触らせる
「脱がせ心地とか」
「試すか!アホ」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【寝顔】

穏やかな寝息に呼吸を合わせつつ長いまつ毛を見つめる
眠っている顔をこっそりとスマホにおさめる
「…寝てると可愛いな」
伸びてきた前髪をつまみ上げた指先が突然握りしめられ、黒い瞳が見上げてきた
「ヒロさんはいつでも可愛いです」
「寝言は寝て言え」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【もふもふ】

「ヒロさん」
「ん?」
「いつまでその子を撫でてるんですか」
「気持ちいいんだよ」
ふわふわとした耳を指でなぞる
「ズルイです」
「お前がくれたんだろーが」
「俺も撫でて下さい」
「パンダの方がいい」
「俺の方があったかいです」
「わかったって」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【おうちデート】

「おうちデート?」
「はい。映画観賞なんてどうですか?」
「一緒に住んでいてリビングで映画観るのはデートじゃねぇだろ」
「じゃあ、待ち合わせしましょう」
「どこでだよ」
「お風呂場とか」
「風呂?」
「そうだ!いっそお風呂でデートを」
「却下!」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【さくら】

「寒そうだな」
夜空に浮かぶ桜は震えているようだ
「昼の方がよかったですか?」
「そーゆー意味じゃねぇ」
「じゃあ」
指先が大きな手に握りしめられる
「夜桜にしてよかったです」
「コラ」
「あ、ヒロさんは昼でも夜でも可愛いです」
「うるせぇアホ」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【花粉症】

「なぁ、こーゆーのって効くのか?」
「やらないよりはいいんじゃないんですかね」
「お守りってとこか」
スプレーを顔に向けてひと吹きしてみる
「これで花粉も変な人もヒロさんにつかなくなるといいですね」
「俺についてきた一番おかしなヤツが言うな」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【ドーナツ】

「なあ、何で穴があるんだろうな」
「火が通りやすくなるからですかね」
「まさかお前、作れるのか?」
「簡単なのなら」
「すげぇな」
「今度作りましょうか?」
「マジで?」
子どものように笑う顔を見つめる
久しぶりに食べるドーナツは幸せの味がした
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

春の弥生の

ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴った。
一人で暮らすことにはだいぶ慣れた秋彦だったが、このチャイムが鳴ったら自分が出なければならないことには、まだ慣れずにいた。今まで住んでいた家では来客時には必ず誰かが応対してくれていたから、チャイムは聞こえても体はイマイチ反応しなかったりする。それに誰かも分からないのに、なぜ本を読むのをやめてまでわざわざ立ち上がる必要があるというのだ。
そう思って居留守を決めようとしたが、すぐさまピンポンピンポン、と立て続けにチャイムが鳴り響いた。
「はいはい」
今度は本を閉じて立ち上がる。
こんな鳴らし方をする奴は一人しかいない。
「何の用だ」
「いいから、とっとと開けろ」
予想通りの声にドアを開けると、なにやら桜色の風呂敷に包まれた荷物を抱えている幼馴染みが立っていた。
「どうしたんだそれ」
「ババァがお前と食えって持ってきやがった」
「おばさんが」
向かいに住んでいた幼馴染みの母親は、小さな頃からいつも自分に優しくしてくれる人だった。
「何が入ってるんだ?」
「俺もまだ見てない」
リビングのテーブルの上で風呂敷包みを広げると、中から小ぶりの重箱が出てきた。蓋を開けると下の段にはちらし寿司が、上の段には桜餅と菱餅の形のケーキが詰められていた、
「マジかよ…」
「桃の節句か」
「つか、お前の誕生日だろ」
「お礼を言わないとな」
「あのババァ、俺の誕生日にはケーキの一つもなかったくせに」
「それは弘樹の日頃の行いが悪いんだろ」
「うるせぇよ」
「せっかくだから一緒に食べるか」
「俺はいいけど。お前はいいのかよ」
「一人じゃ食べ切れない」
子どもの頃から、誕生日にはあまりいい思い出はないけれど。
「おい秋彦、ロウソクあるか?」
「ロウソク?」
「誕生日のお祝いだろーが。ロウソクを歳の数だけ立てようぜ」
「煙草ならあるが」
「ケーキに煙草立てられるかよ!」
「細かいことを気にするな。火がついているんだから、ほぼ同じだろう」
「同じじゃねぇ」
真っ赤な顔で必死になっている弘樹を見ていると、なんだか自分の誕生日も悪くない気がしてくるから不思議だ。
「しかたねぇな。今からロウソク買ってくるか?」
「いや、充分だ」
小さい部屋で過ごす初めての誕生日を春の風がふわりと流れていった。





秋彦、誕生日おめでとう。

プロフィール

HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中

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