何の日 8月26日 2016

レインボーブリッジの日
「きれいだな」
「そうですね」
夕闇に包みこまれた橋が光に彩られていく
「お前、ちゃんと見ろよ」
「見てますよ」
「嘘つけ…」
指先にそっと触れる
「きれいですね」
夜の煌めきに隠れながら手を握りしめて、色づく頬を見つめた
＃1日1のわヒロ

何の日 8月25日 2016

即席ラーメン記念日
「腹減った…」
「食べそこねちゃいましたね」
「誰のせいだよ」
「ヒロさんが悪いんですよ」
「ンだよそれ」
「そんな顔するから」
「何して、」
「まだ足りないです」
「てめぇは…食いすぎだって」
伸びきった麺を横目にもう一度絡みあう
#1日1のわヒロ

何の日 8月24日 2016

愛酒の日
ヒロさんは酔うとペラペラ喋る…
らしい
俺だって聞いてみたい
「野分〜飲んでるか〜？」
「はい」
試してみた
「そっか〜」
「大丈夫ですか？」
「ヘーキ」
目尻を染めてへらりと笑った
「…わかりました」
酔ったヒロさんはいつもよりさらに可愛い
#1日1のわヒロ

何の日 8月23日 2016

油の日
「なにやってんだ？」
高々と上げた手からオリーブオイルが降り注ぐ
「流行ってるそうですよ」
「意味あんのか？」
「食べてみますか？」
差し出されたレタスを口にする
「美味い」
「意味ありましたね」
「だな」
きっと
お前が作ればなんでも美味い
#1日1のわヒロ

何の日 8月22日 2016

チンチン電車の日
「やっぱりやめたほうが」
「大丈夫だって」
帽子を被って走りだす
「弘樹」
「どうした？」
「…乗ったことないんだけど」
「俺に任せとけって」
蝉の声が背中を押す
「行くぞ秋彦！！」
秘密の切符を手に入れて
夏の冒険が幕をあける
＃1日1のわヒロ

何の日 8月21日 2016

噴水の日
「ヒロさん！」
「おう」
真夏の陽射しが照りつける
「暑くなかったですか？」
子どもの歓声と水飛沫が上がる
「ここは涼しいぞ」
湿り気を帯びた髪の毛をかきあげて笑う顔をみつめる
「どうした？」
「…熱中症です」
「えっ？！」
1年中ヒロさんに
＃1日1のわヒロ

何の日 8月20日 2016

蚊の日
「なんで俺ばっかり」
当然です
「ガキの頃からだぞ」
子どもの頃からヒロさんは可愛いですから
「虫よけもしてんのに」
ヒロさんの魅力の前にそんなものは意味ありません
「お前は食われねぇのか？」
「俺は食べる方なので」
赤くなった肌に唇をよせた
＃1日1のわヒロ

何の日 8月19日 2016

俳句の日
「上條ー」
「なんですか」
「やろって」
「お断りします」
「えー」
「俺は忙しいんです」
「ちょっとだけ。な、1回だけ」
「そう言って去年もしつこかったじゃないですか！」
「いいだろ今日くらい」
「1人で好きなだけ詠んでて下さい」
「ケチ」
＃1日1のわヒロ

何の日 8月18日 2016

米の日
「お前は本当にデカイよな」
「まあ、そうですね」
「何食ったらそんなになるんだ」
「特別なものは食べてないんですけど」
「そうか」
「お米を縦に食べるといいって聞きますよ」
「本当か？」
「でもヒロさんはこのままでいいです」
「 暑苦しいって」
＃1日1のわヒロ

何の日 8月17日 2016

パイナップルの日
「野分…それは無理だ」
「心配しなくても大丈夫ですよ」
「やめろ」
「ほら、ね」
「勝手に入れんじゃねぇ」
「一度試してみたら好きになりますから」
「イヤだって」
「もう入ってます」
「ったく」
「パイナップル入りも悪くないですよ」
＃１日1のわヒロ