何の日 8月27日

男はつらいよの日
「正月映画の代名詞だったからな。寅さん、ってのは冬の季語にもなってる」
「そんな季語があるんですね」
「色々あるんだよ」
「ヒロさん、ならいつの季語かなぁ」
「そんなのお前と同じで」
「え？」
「…なんでもねぇ」
野分と同じ秋がいい
#1日1のわヒロ

何の日 8月26日

ユースホステルの日
「泊まりながら自転車で旅行とか憧れなかったか？」
「子どもの頃、一度パンクするくらい遠くに行ったことあります」
「すげえ」
「そうですか？」
「お前って世界一周とかできそう」
「俺はヒロさんを中心に周ります」
「周るな、触んなッ」
#1日1のわヒロ

何の日 8月25日

即席ラーメン記念日
「こっちの方が美味いですよ」
「？！」
「このシリーズ全部試したんで」
「じゃあそれにします」
「ラーメン好きなんですね。こんなに買って」
「あの…」
「ああ、野分には内緒にしときますよ」
「すみません」
「二人だけの秘密ですね」
#1日1のわヒロ

何の日 8月24日

愛酒の日
「お前もう帰れ」
「なーに言ってんだ。話はこれからだろーが」
「まだあるのか？」
「聞きたいだろ？しかたねぇなぁ聞かせてやるよウヒャヒャヒャ」
鈴木さんを抱きしめて笑う顔を肴にグラスを空けた
差し向かいで飲む酒は、いつもひたすらに甘くなる
#1日1のわヒロ

何の日 8月23日

ウクレレの日
「夕日の沈む海岸を二人で歩くんです」
「ほー」
「ヒロさんはハイビスカスの花とか似合いそうですよね」
「へー。で、ウクレレ弾いて愛の歌を歌っちゃうわけ？」
「先輩！」
「冗談だよ」
「それいいですね」
「いや、上條さん絶対嫌がるって」
#1日1のわヒロ

何の日 8月22日

チンチン電車の日
「旅行？」
「はい」
「お前無理だろ」
「気分だけでも」
突然重なった休み
いつもの電車より、どこかゆっくりと走る電車に乗りこんだ
見たことのない景色が窓の外を流れる
「どこで降りようか」
俺たちは子どものように窓に顔を寄せた
#1日1のわヒロ

何の日 8月21日

噴水の日
「ヒロさーん」
「？！野分、そこは」
「わあっ！」
「お前、なにしてんだよ」
「…下から水が」
「アホか。見りゃわかんだろ、ったく」
「晴れてる日でよかったです」
「よかねーよ。ちゃんと見て歩けよ」
「はい！」
「だーかーら前を向けって」
#1日1のわヒロ

何の日 8月20日

交通信号の日
「…なにしてんだよ」
「ヒロさん補給です」
「飯食えよ」
「ご飯より先に」
「な、なら風呂入れ」
「一緒に？」
「だ、誰がそんなこと」
赤くなったり青くなったり忙しい顔に見えるのは、俺にだけわかる進めのサイン
「嬉しいです」
「アホか」
#1日1のわヒロ

何の日 8月19日

俳句の日
「ヒロさん！俺一句できました！」
「？」
『ヒロさんを 眺めて1日 過ごしたい』
「なっ、」
「どうですか？」
「季語がねぇし」
「あ、そうか。えっと…『ヒロさんが寒いと言えば秋の風』あ、これならどうですか？」
「いや、だから俺を詠むな」
#1日1のわヒロ

何の日 8月18日

猛暑の特異日
「暑ぃ」
「上條お前、んな格好してたら暑いに決まってるだろ」
「あ、」
「ほらネクタイ外して首もとをだな」
「ちょっ教授やめて下さい」
「こうしたら涼しく、ん？」
「勝手なことしないで下さいっ」
「あーそれは学生には目の毒だ。隠しとけ」
#1日1のわヒロ