frown
当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。
一年に一度の
- 2019/03/03 (Sun)
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「おめでと」
「あぁ」
プレゼントを渡したその顔はどこか元気がない。
「何だよその顔」
「いったい何がめでたいのかと思ってな」
「誕生日は普通めでたいだろ」
「たかが一つ歳をとるだけだ。何も変わらない」
煙草の煙を吐きながら黙りこんだ秋彦を見守る。
ガキの頃はともかく、今は誕生日を心から祝ってくれる同居人もいるだろうに、いったいどうしたというんだろう。
「弘樹」
「ん」
「子どもの頃は大人になれば自由になれると思ってなかったか?」
「まあ、な」
「そう簡単にはいかないものだな」
有り余るほどの財産も、名声も手に入れているはずなのに、それでもどうにもできないものは、確かにある。
もしそれが、家に関することならば秋彦の場合はことさらやっかいだろう。
俺も、他人のことは言えないけれど。
それでも、やっぱり
「誕生日はめでたいんだよ。お前は今日でようやく俺と同じ歳になるんだから素直に喜べ」
「なんだそれは」
呆れたような顔はいつもの秋彦に戻りつつあって少しホッとしながらビシッと指を突きつける。
「お前の方が年下だってことを忘れんなよ。いつでも隊長は俺だ」
「お前はあいかわらずだな」
「歳をとっても変わらないのも悪くねぇだろ」
「…そうだな」
流れた時間の分だけ増えた思い出も、できた傷も、それぞれの大切な人も違う。
それでも変わらないものを今年もまた祝って。
「あぁ」
プレゼントを渡したその顔はどこか元気がない。
「何だよその顔」
「いったい何がめでたいのかと思ってな」
「誕生日は普通めでたいだろ」
「たかが一つ歳をとるだけだ。何も変わらない」
煙草の煙を吐きながら黙りこんだ秋彦を見守る。
ガキの頃はともかく、今は誕生日を心から祝ってくれる同居人もいるだろうに、いったいどうしたというんだろう。
「弘樹」
「ん」
「子どもの頃は大人になれば自由になれると思ってなかったか?」
「まあ、な」
「そう簡単にはいかないものだな」
有り余るほどの財産も、名声も手に入れているはずなのに、それでもどうにもできないものは、確かにある。
もしそれが、家に関することならば秋彦の場合はことさらやっかいだろう。
俺も、他人のことは言えないけれど。
それでも、やっぱり
「誕生日はめでたいんだよ。お前は今日でようやく俺と同じ歳になるんだから素直に喜べ」
「なんだそれは」
呆れたような顔はいつもの秋彦に戻りつつあって少しホッとしながらビシッと指を突きつける。
「お前の方が年下だってことを忘れんなよ。いつでも隊長は俺だ」
「お前はあいかわらずだな」
「歳をとっても変わらないのも悪くねぇだろ」
「…そうだな」
流れた時間の分だけ増えた思い出も、できた傷も、それぞれの大切な人も違う。
それでも変わらないものを今年もまた祝って。
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プロフィール
HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中
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