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frown

当ブログ、「frown 」は二次創作テキストブログです。 純情エゴイストが好きすぎて、その想いをひたすら吐き出しております。 女性向け、同人・BL要素が含まれておりますので、閲覧の際には何卒ご注意ください。 原作者、版権元、など公式のものとは一切関係ありません。 ブログ内の文章の無断転載・引用はお断りします。

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【上條弘樹】

ウチの大学には鬼と呼ばれる人がいる
そして今、うちのリビングにその鬼がいる
鈴木さんを抱きながら
「どうしたのコレ?」
「誕生日の話を聞いていたらこれだ。もう帰れ弘樹」
「うるせぇ」
「鬼にクマだね」
「どんな諺だそれは」
「実はよく似合う?」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負
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走り続けるその先に   後日談


「ちょちょ、ちょっと待て」
津森先輩の指が俺の鼻先をグイッと押した。
「なんですか?」
「俺が聞かされているのは、お前と上條サンとの誕生日ラブラブ惚気話なのか」
「惚気てましたか?」
「完全にな。つかお前がショックなことがあったっていうから聞いてやってたのに、どこにもそんな場面出てこないのはナゼ?」
「もう話しましたよ」
「どこだよ」
なぜだか津森先輩には伝わらなかったようだ。
「ヒロさんを疑った自分がショックだったんです。情けないです」
「そこかよー。別に浮気されてなかったんだからどーでもよくねー?」
「よくないです。俺はまだまだダメなんです。もっとちゃんとした大人の男にならないと」
「聞くんじゃなかった……」
先輩が冷めたコーヒーをがぶりと飲み干した。
「でも本当に玄関開けてスニーカーを見た時はすごい驚いたんですよ」
「お前のことだからその靴の匂いを嗅いでたら上條さんのだって分かったんじゃねぇのか」
「確かに……そうですね。次からは疑う前に匂いで確認するようにします」
「やめろよお前。マジで病気だぞ、それ。そんなことより、あの人ランニングなんてしてんの?」
「そうなんです」
「意外」
「そもそも、俺が運動不足だなんて言ったせいなんですけど」
そう。元はと言えば俺のせいだ。
最終に乗るために二人で駅まで走った時、ひどく息を切らして苦しんでいたヒロさんに、俺がついうっかり運動不足だなんて言ったことをヒロさんは気にしていたらしい。
「まさかお前も一緒に走ってんの?」
「一度だけ一緒に走りましたけど、それっきりです」
「だよなー。お前に足りないのは運動じゃなくて休息だしな」
ヒロさんも同じことを言っていた。


****

「はぁ」
 違う意味での運動を終えて、ぐったりとベッドに横たわっているヒロさんの背中に手を這わす。
「俺も誘ってくれたらよかったのに」
「なに……に」
「ランニングです」
「お前は別に……運動不足じゃねぇ。寝たほうがいいだろ」
「一人で走ってるなんて、危なくないですか?」
「気を……つけ、りゅ……」
むにゃむにゃと語尾が緩んだ、と思ったら寝息が聞こえてきた。
「本当に気をつけて下さいね」
乱れた髪をそっと手で梳いた。


*****


「俺はなんでもヒロさんと一緒にやりたいけれど、なかなかそうもいかないですね」
「四六時中べったりしてたらいいってもんじゃねぇだろ」
「そうですね」
「しかしランニングねぇ。今度あの人にランニングパンツでもプレゼントしちゃおっかな」
「ランニングパンツ?」
「そ。こーゆーの」
 先輩がスマホの画面に出して見せてきたのは、足全体にピッタリとフィットするタイツのようなものだった。
「こんなのあるんですか」
「あの人、似合いそうだろ」
「勝手に想像しないで下さい!」
「履かせたくね?」
「それは」
ヒロさんのすんなりときれいな脚に履かせたい、そして、脱がせたい。けれどもそれは俺だけが考えていいことだ。
「スポーツ用品だし。走りやすくなるって言って贈っちゃおっかなー」
「絶対にやめて下さい。あ、先輩呼び出しかかってますよ」
「はいはい。お前も行くぞ」
「はい」
休憩を終えて歩き出す。

窓の外は秋の空に赤く色づいた葉が輝いていた。

 やっぱり俺も一緒に走りたい。
 ヒロさんを守るために。そして前を見て走り続けるヒロさんに追いていかれないようにするために。
 次の誕生日までに少しでも近くに。

走り続けるその先に

 夜勤明けに見上げた空は、未だ夜の色が残っていた。
 眠っている街なみの中を、朝刊を配達するバイクと競争するように自転車をこぐ。
「一週間ぶりだ…」
 早く会いたい、という想いに押されながらヒロさんの待つマンションの部屋の前にたどり着く。起こしてしまわないように慎重に鍵を開ける。
「ただいまです」
 囁き声で帰宅を告げた俺の目に、見覚えのないスニーカーが飛びこんできた。
暗い玄関でじっとソレと向かい合う。
やや厚底の、色々な色が使われているスニーカーが玄関の隅に揃えられている。
 こんな派手な色、ヒロさんが履いているのを俺は見たことがない。もちろん俺のでもない。
(じゃあ……誰の?)
 心臓がドクドクと音を立てる。混乱して動けず固まっている俺の耳に、水音が聞こえてきた。
 これは……もしかして……。いや、もしかしなくても……シャワーの音だ。
 靴を脱ぎ、急いで浴室へと向かう。
 ガラス戸の向こうで、誰かがシャワーを使っていた。
 見たことのない靴。
 明け方のシャワー。
 俺がいない間に、いったい誰が俺たちの部屋に入り込んでいるんだ。そして、ヒロさんと、何をして。
 浮かんでくるのは最悪の想像ばかりで、冷たくて熱い血が頭に昇ってくる。
 俺は湯気がこもる浴室のドアを勢いよく開けた。
「うわっ!」
「ヒロさん?」
「ンだよ。そんなに慌てて」
 洗い場で髪の毛を洗っていたヒロさんがびっくりした顔で振り向いた。
「ヒロさんこそ、何でこんな時間に」
「汗かいたから」
「汗……」
「思ったより楽しくてついやり過ぎた」
「やり過ぎって」
「つか野分。突っ立ってねぇで早くドア閉めろよ」
「はい」
 ドアを閉めて浴室の中に入りこむ。
「なんで入ってくんだよ」
 泡を流しているヒロさんをガバッと抱きしめた。
「おいっ!濡れるだろーがコラ」
「誰とですか」
「あ?」
「誰としたんですか」
「一人に決まってるだろ」
「一人で?」
「こんな朝早くに誰か誘えるわけねぇだろ。何言ってんだよ」
「じゃああの靴は誰の」
「靴?」
「玄関に置いてある」
「ランニングシューズのことか?」
「ランニング?」
「玄関の靴って俺のランニングシューズのことだろ」
「ヒロさんのなんですか?」
「お前のじゃなければ俺のだろ」
「でもヒロさん、ああいう派手な色履きませんよね」
「あーあれは……貰ったから」
口籠る顔を覗きこむ。
「貰った?」
「そうだよ」
靴は好みはもちろんだけど、サイズののこともあるから、そう簡単に贈り物になんてできないと思う。ということは、仲の良い人からということで。
「宇佐見さんですか?」
「今日、研究室に来て置いていったんだよ」
「なんで」
「最近走ってるって話したからだろ」
「ヒロさん、ランニング続けてたんですか?」
前に俺が運動不足を指摘したことをヒロさんが気にしていたのは知っていたけれど、最近はもうランニングはしていないと思っていた。
「夏は暑くてやめてたけど、涼しくなったから。悪ぃかよ」
「悪くないです。でもよく起きれましたね」
するりと腰回りを撫でる。ヒロさんはもともと太ってはいないし、どちらかといえば痩せ型だ。見た目を気にしてというよりも、一緒に走った俺が平気で、自分だけ息が上がったことがよっぽど悔しかったんだろうか。
「シューズを試してみたかったんだよ」
「どうでしたか?」
「走りやすかった」
「じゃあやり過ぎたっていうのは」
「調子に乗って走りすぎたんだよ。わかったならとにかく!離れろ!!出てけ!シャワーの続きをさせろ」
 宇佐見さんのことだ。きっと走りやすい靴なんだろう。悔しいけれど。
「俺、マッサージしてあげます」
「は?服着たまま何を寝ぼけたこと言ってんだよアホ」
「大丈夫です」
 濡れてしまった服を素早く脱ぎ捨てる。
「今日はヒロさんも休みですよね。俺もです」
「おい」
 湯気を立てている背中に手をまわし、唇を吸い舌を絡める。抱きしめる腕に力をいれるとシャワーで濡れた肌がぴたりと隙間なく重なる。もっと、離れなくなるくらい、ぴったりと一つになってしまえばいいのに、と脚も絡めるように覆いかぶさり、キスを続けた。
「野分……ちょっと」
 息継ぎをするように離れたヒロさんが俺の腕の中から逃れようともがいた。
「あ、俺もシャワー浴びた方が良かったですか?」
「そうじゃなくて、なんでここで」
「でも」
「誕生日に風呂で盛んなバカ」
 赤い顔で睨みつけられて、盛るなと言うのは無理な話だけど、確かにこんな慌ただしいのは良くない。
「そうですね」
 ひょいと抱き上げて浴室を出る。
「うおっ、なんでそうなる!降ろせ!」
「ヒロさん」
暴れて落ちそうになったヒロさんを抱き直し耳に口を寄せる。
「お誕生日おめでとうございます」
「ん」
「せっかくだから、俺もヒロさんの運動不足解消に参加したいです」
「参加?」
「一緒に運動しましょう」
「いや、お前は走る必要ねぇだろ」
「走るだけが運動じゃないですよ」
「へ?」
ベッドに降ろして、きょとんと見上げた瞳を見つめる。
「誕生日なので特別大サービスします」
「いや、いい!サービスしなくても、んッ」
 喚くヒロさんの足を掴んで口づける。
 どんなに高級な靴を貰ったとしても。足の先まで、全て俺のものだと言う代わりに。

【夜風】

「美味かったな」
ご機嫌なヒロさんの髪を風が乱していく
「寒くないですか」
「ん。つか気持ちいい」
夜空を見上げた頬が赤く染まっている
「俺の方がもっと気持ちよくできます」
「へ?」
「早く帰りましょう」
握りしめた手を強く引く
風に負けないように
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【笑顔】

「可愛いなぁ」
「そうですね」
いつだってヒロさんには笑っていて欲しいと思っているけど
「あ、転んだ」
見たこともないような笑顔を向けているのが俺じゃないのは嬉しくない
「パンダばかりじゃなくて別のも見て下さい」
「別の?」
「俺とか」
「は?」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【涙】

その成分の98.0%は水。残りには含まれているのはナトリウムやカリウムなど、のはずだけど
甘いため息とともに閉じられた目蓋をそっと舐める
「やっぱり」
滲んだ涙は少し甘く、俺の胸はぎゅっと締めつけられる
きっとヒロさんの涙には恋の成分が入っている
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【仮装】

「本当にコレでいいのか」
「子ども達喜びます」
「つか2人で王子って」
「お姫様もいますよ」
「え?」
「お待たせー」
ドレスを着て現れたのは
「津森?!」
「ヤダどっちの王子様にしたらいいの」
「ヒロさんはダメです」
「じゃあ野分王子〜」
「ダメだ」
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

無題

今日ののわヒロ
「トリックオアトリート」と言われる。お菓子は持ってないと言ったら「じゃあ10回キスして」とか言い出した。それはいたずらなのか?するけども。
#今日の二人はなにしてる
shindanmaker.com/831289



「ヒロさん!」
「ん」
「トリックオアトリートです」
「菓子なんかねぇぞ」
「じゃあ、代わりに10回キスして下さい」
「は?」
読んでいた本から顔を上げると目の前に犬の耳をつけた野分がいた
「お前…」
「キス10回下さい」
「バカだな」
笑いながら顔を寄せる
まずは1つ
驚いて開いているその口に

【酔い(お酒)】

「お前、酔わねぇよな」
「そんなことないです」
「そんなことある。いっつも俺ばっかり飲まされて」
「俺、酔ってますよ」
「嘘つけ」
「ほんとです」
むぅと尖った唇を吸い、甘い舌を味わう
初めて会った時からずっといつだって
俺はヒロさんに酔っている
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

【お姫様抱っこ】

俺だって
そう改めて見たコイツはデカイ
「俺がやりたいんです」
甘やかすような言葉とともに身体がふわりと浮かび寝室に運ばれる
「…降ろせ」
「はい」
女みたいに扱うな、と言う文句は唇に塞がれて好きという言葉に朝まで殺される
そんな夜もまた悪くない
#セカロマ深夜の真剣文字書き60分一本勝負

プロフィール

HN:
さるり
性別:
女性
自己紹介:
ヒロさん溺愛中

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